梅雨の根子岳ヤカタガウド 2010.6.19
1. 稜線上に咲くオオヤマレンゲ
週末の天気予報を入念に調査した結果、土曜日の午前9時から夕方まで阿蘇くじゅう周辺では雨雲が消え去ってしまうようだ。霧雨に濡れる覚悟があれば、登山には問題ないと判断して、行き先の選定にはいる。ミヤマキリシマは十分に見たので、オオヤマレンゲだね。そうだ、根子岳に登ろう!
大分市内から阿蘇まで、何度か雨に降られて不安になるが、天気予報を信じて、車を走らせる。
九州自然歩道のヤカタガウド分岐に車を停めて、準備をする。山は濃霧に包まれているが、雨は止んでるようだ。その先も舗装道路が続いてはいるが道幅が狭い(草木が覆っている)ので、登山口まで歩いていく。
再び雨が降り始めた。勇気ある撤退か、それとも撤退して後悔するか。登山届けのポストの前で15分くらい待機する。
9時40分、雨が弱くなった。いざ、出発!
幾つかの砂防ダムを越えると、ヤカタガウドの入口だ。小滝の連続する苔むした谷底を遡行していく。要所には鎖やザイルが設置してあるので、登山靴でも問題ない。しばらくすると、開けたガレ場にでる。
2. ヤカタガウドのガレ場
霧雨であるが、風が無く蒸し暑いので、レインウェアは着ないで、濡れるに任せたまま登って行く。霧の中に眼鏡岩が見えたところで、登山道は涸沢から林の中に入っていく。ここから泥濘の悪路を予想していたが、水はけが良いのか、地面は締まっている。
霧に包まれた林の中、無心で登っていると、ふと甘い香りに気付く。頭上を見上げると、オオヤマレンゲの花が咲いているようだ。風が無く、湿度が高いため、花の香りが拡散せずに、林の中を漂っているようだ。この雰囲気を楽しみながら、のんびり登って行く。写真を撮るのは帰りで良いや ^^
11時00分、山頂直下、天狗のコルに到着。霧のためホワイトアウトして展望は全くゼロ。天狗峰の頂上も霧の中。質素に昼食をすませ、少し写真をとる。
2. 稜線上に咲くオオヤマレンゲ
オオヤマレンゲの花は、木の高いところに咲いているものだと思っていたが、この辺りでは手にとって観察することができる。ワインのテイスティングをするように、花の香りを目一杯、吸い込んでみる。甘いだけでなく清涼感のある芳香が鼻腔に広がる。熟れた梨や、ポカリスエットを連想させるような香りがする。
3.
また、山頂に近づくと、ちらほら、ミヤマキリシマも咲いていた。
4. 雨に濡れたミヤマキリシマ
稜線付近は、濃い霧に包まれて何も見えない。視界が晴れれば絶景なのだが → 2008年秋の根子岳登山
雨の日は滑落の危険が高くなるので、東峰までの稜線歩きはやめておく。写真を撮りながら、のんびり下山することにする。
眼鏡岩の見える場所まで降りると、雲が晴れて青空が見えてきた。登山口まで戻るころには、蒸し暑くなってきた。道端の茂みに実ったキイチゴを摘まみながら、駐車場まで車道を歩いたのだった。
( E-3 + ZD 14-54 )