屋久島の石楠花と山旅の記録 2010

青空と石楠花と永田岳 2010.6.1 青空と石楠花と永田岳 昨年のGWに黒味岳に登った際、石楠花(しゃくなげ)の木があちこちに自生しているのを見て、石楠花の咲く時期に縦走したら素晴らしい光景に遭えるに違いない、とずっと考えていた。昨年は裏年ということで花芽の付きが良くないので諦めていたのですが、(4月に下見の登山もして)今年はどうやら石楠花の表年らしいと確信し、屋久島の山旅の計画をすすめていました。 石楠花を見るだけなら日帰り登山でも十分なのですが、折角なので、山小屋の泊まって屋久島の自然を存分に満喫してくることにしました。 《1日目》 5月29日
15:15 淀川登山口 発 → 15:50 淀川小屋 着 (宿泊)
フェリー屋久島2で、昼過ぎに屋久島に上陸。下界で買出しと昼食を済ませ、淀川登山口まで車で着けました。登山届をポストに投函し、いざ出発!この日は、30分しか歩きませんが... その晩の淀川小屋の泊まりは10名程度でした。 淀川橋 土台をえぐられた淀川橋 また、先日の大雨による増水で、淀川に架かる橋の土台部分が抉られ、ヤマグルマの倒木も流されたようで、若干、景色が変わっていたのでした。 《2日目》 5月30日
4:05 淀川小屋 発 → 5:50 花之江河 → 6:40 投石平 (20分休憩) → 8:40 栗生岳 → 9:00 宮之浦岳 → 9:40 焼野三叉路 → 11:00 永田岳 (1時間休憩) → 13:15 鹿之沢小屋 着 (宿泊)
他の登山者が午前3時ごろ起床し準備を始めたため、私も目が覚めてしまった。まだ周囲が暗いうちからヘッドランプを点灯して歩くことにした。小花之江河の手前の展望台で日の出を見ることができた。 天気が良ければ黒味岳に登ろうと考えていたが、空が曇っていたので諦めて、投石平(なげいしたいら)を目指す。翁岳のあたりから霧雨になってきたが、レインウェアを着なくても問題なし。途中で出合う登山者たちと励ましあいながら、宮之浦岳を目指す。 霧雨に濡れる石楠花 森林限界より上のヤクシマシャクナゲ 宮之浦岳の山頂は霧に包まれ何も見えない。仕方ないので焼野に下り、おやつタイムにした。霧は晴れて青空が広がり始めた!先ほど出合った連中(日帰り組)が永田岳を目指すので、私も後を追うことにするがザックが重くて、離されていく。 永田岳山頂で1時間ほど休憩する。その後、日帰り組とは別れて、鹿之沢小屋まで独り寂しく降りていく。ローソク岩周辺の景色はすばらしい。また、道は少々荒れているが迷うことはない。 鹿之沢小屋 石楠花に囲まれた鹿之沢小屋 小屋には予想以上に早く着いた。川で洗濯したり、花山歩道を下見したり、お猿と睨めっこしたり、のんびりと過ごした。 《3日目》 5月31日
5:15 鹿之沢小屋 発 → 6:55 永田岳山頂 (20分休憩) → 8:45 焼野三叉路 (30分休憩) → 9:45 平石岩屋 → 10:40 第2展望台 → 11:05 第1展望台 → 11:30 新高塚小屋 着 (宿泊)
鹿之沢小屋のトイレに行くには、石楠花のトンネルを抜け、小川を渡り、ロープのある岩場を越えて行かなければならない。未明、もよおしてトイレに行くと、石楠花が月光とLEDに照らされて幻想的な光景であった。 夜明けのローソク岩 ローソク岩展望台より 早朝、永田岳を越えて、焼野三差路を(縄文杉のある)高塚尾根を下っていく。曇り空が広がり写真をとるには今ひとつだが、気温が上がらないので歩きやすい。このあたりシャクナゲの密度が濃い。 新高塚小屋には一番乗り。満員で泊まれない事態を心配していが、問題ないようだ。 新高塚小屋 新緑に包まれる新高塚小屋 休憩の後、片道1時間30分の距離にある、縄文杉を観にいくことにする。女性二人が残っていたが、その後、独占状態。 縄文杉 縄文杉の傍を流れる水を汲んで、ウィスキーを水割りにしよう! 《4日目》 6月1日
4:50 新高塚小屋 発 → 5:15 第1展望台 → 5:45 第2展望台 → 7:00 平石 → 7:20 焼野三叉路 (10分休憩) → 8:20 宮之浦岳 → 10:00 投石平 → 10:50 花之江河 → 12:20 淀川小屋(1時間休憩) → 13:50 淀川登山口 下山
ヘッドランプを着けて出発。第一展望台で日の出を見ようとの企てだが、残念、東の空は曇っていた。 夜明けの宮之浦岳 夜明けの宮之浦岳 宮之浦岳の山頂を詰めると、やはり霧に包まれていた。投石平から雨に降られたが、花之江河あたりで止んできた。 強烈にお腹がすいて、カロリーメイトの類では我慢できなくなってきた。淀川小屋まで辿りつくと、予備食のアルファ米の五目御飯と味噌汁で昼食にした。 淀川登山口に下山し、数日間も置きっぱなしの車に乗って、尾之間に向かう。いつもの温泉にまっしぐらと言いたいところだが、その前に屋久島警察署に下山連絡を行い、受理される。(これは初めての経験でした。下山連絡を忘れるとどうなるんだろう?) 温泉で数日分の垢と髭を落とし、安房に寝場所を確保する。「ファミリーレストラン かもがわ」で一人打ち上げ会をして、「しゃくなげ登山」は無事に幕を閉じたのでした。 《完》 ( E-3 + ZD 12-60 )