白水ダムと里の花

以前から気になっていた「日本一美しい白水の流れ 白水ダム」に行きました。 このダムを見るためには、市道のさらに枝道を進まなければなりませんが、そこには立て看板があり、”地元関係者の車両および二輪車以外は通行止め”になっています。こんな時、バイクだったらな〜と思いつつ、ダム見学者用の駐車場に車を置いて、カメラバックを肩で担いで、白水ダムまでの片道500mくらいを歩いていくことにしました。 途中の道端ではスミレやオオイヌノフグリなどの草花が目を楽しませてくれますが、花のマクロ撮影は帰りの楽しみに残しておき、ひとまず目的地のダムを目指しました。 道なりに暫く歩くと、緑色の水をたたえた溜池の右岸に出合い、そこから下流方向に直ぐにダムが見えてきます。 白水ダム 1. 堰堤の上から 右岸を少し下ると、案内板があります。分かり易い解説なので、これを掲載しましょう! 全部読むのが面倒な人は、赤字部分だけ見てくださいね。
白水ダム案内板農耕への熱い思いが実らせた、白水溜池堰堤と水利施設一構(原文は右写真、クリックで拡大) 竹田市緒方町を流れる富士諸井路の用水に使われるダムです。型式 重力式割石コンクリートダム、高さ 14.1m、長さ 87.26m、貯水量 600,000t、貯水面積 10ha。 設計・監督 小野安夫(県農業土木技師)、平成5年 91歳で死亡。竣工 昭和13年(1938)9月30日。 昭和9年から四年半の歳月をかえけて完成している。人々の田畑を潤そうとする、農耕への熱い思いがなければ決して完成をみなかったであろう。宮砥地区万田迫より取水して総延長 15kmの幹線水路をへて緒方町内の受益地に配水しています。安定した水を送るため、斜樋に工夫がなされています。水が足りなくなれば斜樋にある五つの蓋を順番に開けることで調節できるようにしています。 溜池の側壁は水圧で痛みやすいので、左岸は階段状の石壁を、右岸は円周上を曲線状の石組みで仕上げています。水が増えると、左・右岸に沿って流れる水が、正面から流れ落ちる水の力を弱めるしくみになっています。1キロ下流にある取水口までの護岸にも役立っています。設計者と豊後石工の英知と苦労、それにもまして芸術性を取り込んだ美的センスには頭の下がる思いがします。専門家をして「我が国で最も美しいダムのひとつ」であると言わせています。
大分県は全国的にも石橋が多い地域として有名ですが、白水ダムの建設に当っては、数々の石橋を構築した豊後石工の技術と美的センスが取り込まれているのですね。 白水ダムの左岸 3. 左岸の階段状の石壁 photo-1.jpg 4. 右岸の曲線状の石組み 左右比対称な構造が面白いですね。設計者の遊び心を感じ、見ていて楽しいです。 今回は右岸から白水ダムにアプローチしましたが、左岸のほうは車で近くまで来れて、且つダムの直下まで歩いていけるようです。次回は、左岸から行ってみたいですね。 水の流れ 5. 流れ落ちる水の模様 photo-1.jpg 6. ふたたび、堰堤上から 15時30分前に白水ダムに別れを告げ、道端の花を撮りつつ駐車場まで歩きました。 先ず、春の花の定番であるオオイヌノフグリオオイヌノフグリ(400ミリ) 7. 超望遠でみるオオイヌノフグリ オオイヌノフグリ(マクロ) 8. マクロレンズで接写 今回が初登場、ツクシショウジョウバカマ(筑紫猩々袴)。 ツクシショウジョウバカマ 9. ツクシショウジョウバカマ 普通のショウジョウバカマは赤い花を咲かせるそうですが、九州に自生するツクシショウジョウバカマは淡い色合いの花を咲かせます。 ツクシショウジョウバカマ 10. ツクシショウジョウバカマ 11. 今回のドライブでは、他にも祖母山登山口のある神原(こうばる)や、竹田湧水群を回りましたが、写真はあまり撮りませんでした。この辺りも近いうち再び訪れて、紹介したいと思っています。 ps. 3月22日17時、中九州道の千歳ICから大野ICの区間(8.7km)が開通しました。早速、17時30分頃に大野ICから中九州道を通って帰りました!犬飼から大野までの国道57号線は退屈なコーナーが続くので夜間の走行には辛いものがありましたが、今後はこの自動車道により大分から竹田、阿蘇へのアクセスが楽になりますね。全線開通が待ち遠しいです!

白水ダム