津波戸山(つわどさん) 2008.3.8

国東半島の付け根付近にある、津波戸山(つわどさん)に登ってきました。標高529mの無名に近い山ですが、九州百名山に選ばれています。津波戸山をGoogle Map で探しても載っていません。国道10号線で日豊本線西屋敷駅付近を通れば、「津波戸山登山口」という看板があるので直ぐ分かります。 津波戸山円形 1. 津波戸山の全貌。帰路に撮影。 津波戸山案内板看板に従って農道をすすんでいくと、登山者向けの駐車場があるので、そこに車を停めます。10台程度は置けそうです。駐車場の入り口付近に案内板(左図:クリックで拡大)があるので、それを見てコースの全体観を覚えます。 この山は、登山道をストレートに登ると簡単に山頂に行けるそうですが、この山が九州百名山たる所以は、弘法大使に因んだ八十八ヶ所霊場巡拝道にあるらしいです。そして、左図の緑の円で表示された番号が番所を表している様なので、この順にルートをとることにします。赤線で引かれた危険箇所が、なんか気になりますね。 で、車に戻って、服を着替えて、荷物をザックに詰め込みます。低山だから、カップヌードル用一式を持って行こう。低山なので、カメラも E-3 とフィルムカメラ( F100 と単焦点2本)も持って行っても楽勝でしょう、という判断が誤りだったことに気付いたのは、少し後になったからでした。 なお、案内板のそばに貯金箱があるので、津波戸山を登る人は、登山道の整備をされている地元の方々のため、寸志を入れてあげましょう。 9時45分、駐車場から登山口に向かって歩き始める。15分ほどして登山口を通過。 10時10分、杉林の中の海蔵寺跡に着。ここに1つ目の番所があります。 津波戸山解説津波戸山の説明。右図、クリックで拡大。 津波戸山は、山香町大字向野(むくの)字松尾地区にあり、標高529.4m。集塊岩が浸食された奇岩絶峰が屹立し、県の自然公園に指定されている。現在地は、向野字小屋敷(こやしき)からあるいて1200m、これから谷間を1200m程登れば、山上近くの水月寺(すいげつじ)奥の院と伝えられる観音堂に着く。途中両岸に苔むした巨岩が聳える枯川の谷間に大きい弘法大師像が安置された霊場があり、両側の岩山には津波戸山弘法大師八八ケ所が安置されている。観音堂から80m程で山頂に達し、左に100m程登ると素晴らしい眺めの津波戸山展望所に出る。下山は往路を逆に下る。(後略) この説明によれば、八十八ヶ所巡拝道は大正時代に地元有志により作られたもので、弘法大師とは直接関係はないようです。 ここから枯れ沢の登山道をさらに登って行きます。次第に、ヤブツバキの落花が目についてきます。暫くすると、巡拝道を示す看板があらわれるので、それに従って右岸の崖(案内図では左の岩尾根;3番〜12番)を登り始めます。最初は余裕がありましたが、岩尾根に出ると絶句!足が竦んできました[たらーっ(汗)]
津波戸山の岩尾根
4. 石板を渡って番所へ。足下は絶壁(冷汗)
津波戸山の岩尾根
5. この番所の背後の崖を垂直下降(アブラ汗)
要所要所で、岩に足場が彫られ、ステンレスの鎖が張られているので、細心の注意を払っていれば、ほとんど大丈夫だと思います。しかし、一ヶ所だけ、ここに来たことを後悔した場所がありました。そこ(12番→17番のワープ)では、7、8mほどの垂直な崖を鎖を頼りに降下する必要に迫られました。滑り落ちれば、大怪我間違いありません[がく~(落胆した顔)]。空荷であればマシなのですが、肩には一眼レフ2台とヌードルキットがぶら下がっています(汗)幸か不幸か、後続の登山者が来ているようなので、何かあっても助けを呼んでもらえる、と自分に言い聞かせながら、何とか降りることができました。 水月寺奥の院幾つかの難所を越えると、もとの枯れ沢の登山道に降りて行きます。ガレた登山道をすこし登ると、水月奥の院にでます。少し休憩して、息を整えます。 休憩所の横には、水場がありますが、水量が少ないので、飲み水としては、あまり期待しない方がいいと思います。この水で墨をすると、字が上手く書けるそうですが... ここから枯れ沢を突き上げて、尾根を左に進むと山頂です。山頂付近は木が多い茂っているので、少し先の展望所まで歩くことにします。 展望所に着いたころ、下界からサイレンが響いてきました。12時を知らせる合図のようです。 四川風担々さてと、見晴らしの良い、石のテラスの上で昼食を準備します。 コンビニでの買い出しで見つけたカップヌードルの新製品、早速、試してみます。しかし、「中国麺ロードを行く」て、何でしょうか? お味のほうは、、、甘辛い担々麺風? カップヌールらしい味ではないですねぇ(苦笑) 食後、折角の展望所なので、ちょっとだけ周囲の風景を撮影しました。少々、空が霞んでいるようなのが残念。空気が澄んでいれば、由布岳も見えるはずなのにね。 ( ↓ クリックすると拡大 )
西屋敷あたり
8. 西屋敷駅周辺
豊後高田あたり
9. 豊後高田あたりを見渡す
30分程の休憩を終えて、下山開始。途中まで登山ルートを戻ります。水月奥の院から下のほうは、ヤブツバキの美林が続きます。既に、ヤブツバキの花期は終盤のようで花の数は少ない様でした。また、望遠レンズを持参しなかったので、落花をいろいろ撮ってみました。ここでは、久しぶりのリバーサル撮影もしてみましたが、手持ちだったので、手ブレしている可能性が高いです ^^; photo-1.jpg 10. 石像とヤブツバキ
ヤブツバキ
11.
ヤブツバキ
12.
photo-1.jpg 13. 弘法大師像。盗難(転倒?)防止のチェーンが痛々しい。 下山では、往路と反対側になる、左岸の巡拝路(66番〜88番)を通りました。往路の時よりも、楽な(安全な)感じでした。 山頂を振り返る 14. 奥が山頂、その手前の岩尾根は往路のルート。 14時20分、海蔵寺跡。 海蔵寺の杉林 15. 海蔵寺跡の杉林 (クリックで拡大) 14時50分、駐車場に到着。下山完了。 駐車場には、わたしの車以外に、3台がありました。結構、登る人はいるようですね。 【感想】 20代の頃であれば、このくらいの岩場は、身体が勝手に動いて簡単にクリアーできたと思いますが、最近は、身体がイメージしたように動いてくれないような感覚を覚えます。ちと、年齢による衰えだとすると、悲しいですね[もうやだ~(悲しい顔)]。運動神経を鍛え直さないと駄目だな〜と思いました。 津波戸山について。 山頂からの景色はやや単調。 しかし、スリリングな岩尾根を登りながらみる絶景を堪能すれば、低山でありながら九州百名山に選ばれたことも納得です。ですが、わたし自身が高所恐怖症気味で、あまり岩場や鎖場が好きではないので、ここの八十八ヶ所礼拝道は、二度と通らないかもしれません。 一方で、岩壁に挟まれた谷底を歩く登山道は、ヤブツバキの美林など雰囲気がよく、わたしの好みかも。小雨や霧があれば、より幽玄な感じになると思います。ヤブツバキの花が見られるのは、11月末から3月くらいまで。来シーズン、気楽な山歩きとして、来てもいいかなと思いました。

津波戸山